言い訳していい訳

 「こんなはずじゃなかった」とか「あのときに帰りたい」とか独り言で言ってしまうときがある。30代になる結婚して子どもがいる男だ。
 ただ一人の友達は会社をおこしどんどん成功していく。弟は独身で実家暮らし趣味にいきてる。幼稚園でほかの家族は自分より立派な仕事をしていい家に住んでるようにみえる。
 人と自分を比べることが、不幸の原因であることは十分にわかってるのに。「本当は俺も会社興せばうまくやれるんだ」とか、「嫁さんが働いてくれてれば、一軒家買っちゃうんだ」とか、「旅行に行きてー」とか思っちゃったりする。
 そして言い訳をするのだ。「結婚してなければ俺はチャレンジしてた」「子どもがいなければ旅行をいっぱいできた」「そもそも19で付き合った人と25で結婚、それ以外の青春もあったはずだ」。そう、言い訳だよ。
 もし独身であったら、会社を興して成功してた?。もし独身なら貯金もせずに旅行してた?。もし大学のときに嫁さんと出会わなければ、もっと勉強してもっと就活してた?。
 そんなわけはない。きっと今よりも怠惰で孤独で救いようのない人生だったはずだ。こんなに愛してやまない二人の娘はいないんだ。
 言い訳をすることは、どうしょうもない自分を慰めてくれる。家族を言い訳に仕事で成功できないのを慰める。人間関係や義理を言い訳に転職に踏み切れない自分の弱さを慰める。そして、今の幸せを思い出させてくれる。家族がいる幸せ仲間に恵まれてる幸せ。言い訳もできずに押し潰されてるより、言い訳ができる幸せに感謝したい。
 まぁ、早い時間から酒飲んで寝ちゃわなければ、こんな時間にこんなもの書いてないけどね。