好きな本

本好きというか、歴史小説好きです。年間でたぶん100冊以上は読む生活を15年続けているが、歴史小説っていっぱいあるなぁ。そこで読書感想文を三本。
 まず、隆慶一郎の「死ぬことと見つけたり」。これは、前書き「葉隠れが面白くてなぜ悪い」の言葉どうりとにかく面白い。そして金や常識や命にさえこだわらない男達の強さかっこよさを教えてくれる。そういったものへの執着を無くせば誰でもヒーローになれると教えてくれる。でも、私は毎朝死んでないけど。
 次に秋山香乃「五稜郭を落とした男」。幕末初心者にもお薦めの一冊、以外と少ない長州モノだ。三人の主人公、吉田松陰は教育者として、高杉晋作はヒーローとして、山田顕義は受け継ぐものとして、それぞれの生きざまを追いかけていくうちに明治維新ということがよくわかる。また秋山香乃は男が男に惚れるのを照れや言い訳なく書ける人でこれっていそうでいない。下手するとホモじゃないんだよっていう言い訳に一冊使う人もいるんだよ。
 最後は浅田次郎憑神」。これは泣ける、笑って泣ける、昨日も泣いた。上の二作でも金や常識や命への執着を捨てた男達の生きざまが書かれているが、これはそれを捨てるまでの過程が貧乏神疫病神そして○神というトリックにより描かれている。テンポもよく笑えて泣ける、なんなら哭ける。
 生きていく上で金や常識や命への執着は当たり前のことで、むしろそれがなけらば生きていけない。けれどもその執着が人を不幸にもしているだろうし醜くもしている。なんにかぎらず執着というのは他者との比較に繋がる、そしてそれは他者に勝っているときは人を醜くし、他者に負けているときは人を不幸にする。とにかく自分を見つめないといけない。行き様とは死に様という言葉もあるが、常に自分の死に様を考えながら生きたい。と思わせてくれる歴史小説です。