近藤勇を舐めるな!

 親友のK君が、「翔ぶがごとく」?ゲームから幕末に興味を持った。私はチャンス到来と秋山香乃の新撰組のシリーズをプレゼントした。
 ドンピシャにはまったK君だけど、彼がはまったのは土方歳三だった。わかるよ。わかるけどね。
 司馬遼太郎以来だと思うけど、近藤勇土方歳三の好感度が逆転している気がする。大河ドラマは少ししか観てないけど、悩める近藤勇だった印象がある。ドラマは観てないからなんとも言えないけど、K君の「近藤ちょっと間抜けに見える」という発言には納得いかんぞ。
 甲州や流山でのことかもしれんが、その後の土方を美化しすぎると確かに間抜けにも見える。でも、諦めのよさも土方よりも政治が見えていたゆえにとも考えてあげたい。
 京都でも政治家として、幕府の歴々や土佐の後藤象二郎などとの交流をしたことは、現在の視点じゃあ間抜けかもしれないけど、同時代人からすれば特出した政治家であったはずである。
 なにより土方をはじめ同志や隊士を惹き付けたカリスマ性まで土方の演出じゃあないはずだ。汚れ役をした土方も素敵だか神輿もそんじょそこらの神輿もじゃあない。
 池田屋の時の指揮や自分が先頭になっての斬り込みは、指揮官としても剣客としても一流だと思うし、池田屋だけでも剣術の実戦の一番の働きだと思う。
 政治家として論客として指揮官として剣豪として全てで才能を発揮した百姓の息子は、どれだけ努力をしたんだろう。もしくは剣術道場の養子だから、あそこまで才能を磨けたのかもしれない。
 とにかく近藤局長を舐める奴は俺と土方副長がゆるさないからなK君。