過去現在未来

 人生は知らないことだらけだ。そう思う。もし過去に戻れたらなって、思うのは知ってしまったからだ。知ってるのが過去で知っていってるのが現在で知らないのが未来とも言える。
 そして、過去も定かではない。記憶はあいまいなものだし、時間は流れて行くものだ。未来も定かではない。どんなに逃れられないように見える運命も、手に入れたかに見える栄光も、それが現在になるまで何も知らない。

 つまり、今しかない。過去を背負い未来を見ながらも、今しかない。胡蝶の夢だろうが、イデア界だろうが、それを感じてる今の自分しかいない。

 なのに、過去に縛られ、未来を思う。そうしちゃう自分がいる。それもまた俺の今なのだ。
 でも、もしどんな未来がきても、今の俺がいたというのはなくならない。誰も知らなくても自分で忘れちゃっても、ここでこうして娘を愛していた。奥さんも親も愛憎入り交じって大切に思ってた。
 もしすぐに死んでも良いようにって、エロビデオを処分する日が何年かに一度ある。