I like ○○.

 会社に不器用な人がいる。手先とかではなくて、人間的にだ。
 異性にも同性にも、相手のことが好きなのに、それを認められずに妙な態度をとってしまう。結局へんな人だと思われてしまう。認知欲求が強くて自己アピールを極度にしてしまう。自分の世界に他人を巻き込んでしまう。
 はっきり言って浮いている人だ。同い年ということもあって、私も苦手だった。
 それが、そうでもなくなったのには、たった一つの始まりでつまり彼は私なのだ。
 ケチな奴にかぎって他人のことをケチだと言ったり、浮気っぽい人が嫉妬深かったり、相手の気になる部分は自分の欠点である。彼の自分の世界に人を巻き込む点、相手のことを考えず自分自分になること、これは私の欠点でもある。承認欲求が強くて空回りするのもそう。自分が意識して克服しようとしていることだ。また、相手のことが好きだという表現が苦手なのもそうだと思う。
 彼のそういった点が気になるのは私だけかもしれない。他の人はそれぞれのことを感じているのかもしれない。
 I like he. 彼と私が似ているということに気がつけば、これはほとんど彼を好きになっていることだ。自分がそうしてほしいように彼を扱う。具体的にいえば、○○君と呼んでいたのは○○さんに変えただけ。あと意識的に誉めてあげる。そうしたら、彼の方が私になついてきてAKBの話や巨人軍の話をしてくる。聞いてないけど。嫌ではない聞いてないから。
 誰かが嫌いだと思ったり、誰かが苦手だと思ったら I like he(she). 気になる点は自分もだよ。自分も同質だから気になるんだよ。だから自分のされて嬉しいように接してあげたい。
 ケチな人はしっかりしてるねと言ってあげたい。短気な人は情熱的と思ってあげたい。承認欲求が強い人は認めてあげたい。
 そうすることで自分の欠点も完解するような気がする。