娘達の寝顔に

 今、隣で寝ている君たちに望むことは、ただ生きて欲しい、ただただ生きて欲しい。
 ただ生きるのだって難しい。まして、お姉ちゃんは病気と付き合っていかなければならない。妹ちゃんもこれからなにがおこるかわからない。それよりも事故や自殺のほうが怖い。
 偉くなんかならなくていいから、かわいくなんかならなくていいから、いい子になんてならなくていいから。
 ただ生きて欲しい、できたら孫の顔など見せてくれたら、お父さんは最高だ。
 そのためにお父さんは考えた。どうすればいいか考えた。
 そして考えた答えが、君たちが大好きだよって言うことなんだ。生きてくのに、これから辛いことがいっぱいあるけど、そんなときにお父さんが君のことが大好きだって思い出して欲しいから。
 嫌いな人を好きにならなくてもいい。やりたくないことをやらなくてもいい。お父さんを嫌いでもぜんぜんいいから、お父さんより長く生きてくれよ。君たちの「死」を受け入れることのできるお父さんではないよ。

 そのために、長生きしないようにいっぱい酒を飲んだら、こんなもの書いちゃった。やっぱり、酒はほどほどにしよう。